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ベンガラとはそして吹屋ベンガラとは

ベンガラとは、酸化第二鉄(赤色酸化鉄、酸化鉄(III)、Fe₂O₃)が主要発色成分の赤色顔料です。 天然のもの、鉄バクテリアからとれるもの、ローハ(吹屋ベンガラ)から作るもの、工業的に作られるものなどがあり、現在は工業的に安価に量産されています。
天然のもの
赤鉄鉱(ヘマタイト)として産出する酸化鉄(α-Fe₂O₃)
鉄バクテリアからとれるもの(パイプ状ベンガラ)
鉄バクテリアは土壌中や水中に生息する、水に含まれる鉄イオンを酸化し、その際に発生するエネルギーを使って生きる微生物です。鉄バクテリアが作り出す鉄の酸化物を焼成するとベンガラができます。主な元素比はほぼ一定(鉄:ケイ素:リン=73:22:5)で変化しません。
ローハから生産するもの(吹屋ベンガラ)
18世紀に入って から日本で最初に人工的にベンガラが製造されたのは、備 中の吹屋・坂本地区(現・岡山県高梁市) で、坂本にある本山鉱山からの副産物である硫化鉄鉱を出発原料とし、これを焼いて中間生成物の淡青色の 硫酸鉄水和物FeSO₄)を抽出した後に焼成するもので、40日以上要するものであった。
工業的に量産するもの
鉄板を硫酸で洗う際に出る酸洗廃液中には鉄板から溶出した鉄と未反応の硫酸を含んでいて、この廃液に鉄屑を加え硫酸を中和すると濃い硫酸鉄(FeSO4)水 溶液が得られる。この水溶液を加熱濃縮し、濃縮液を鉛張りの槽で冷却して結晶化させ硫酸鉄結晶(FeSO4・7H2O)を得る方法です。

ベンガラとは

ベンガラとは、陶磁器の絵付けなどに使う顔料で、ベンガラには数段階のランクがあり、高級品は陶磁器の模様書き(九谷、伊万里、薩摩等)漆器の下塗(輪島・讃岐等)などに使われています。 他にも社寺仏閣、工芸材料、建築物・船舶塗料、染料、印肉、船舶錆止め等、金属・木材の保護材、化粧品などに使われ、現在では、樹脂、インキ、フィルムの着色剤、道路や遊歩道の赤・黄色のアスファルト舗装、赤レンガ、赤・茶・黄・黒に着色されたブロックなど、セメント二次製品等の景観材料、テレビ、電話、コンピューターのエレクトロニクス材料、モーターの磁芯などにも使われています。 ベンガラはエレクトロニクス産業を支え、この分野は、日本が世界をリードしており、また日本製ベンガラを使った樹脂のマスターバッチや高級インキは、世界需要の大半を占めています。。

ベンガラの用途

吹屋ベンガラとは岡山県高梁市吹屋地区にて製造されていたベンガラのことです。吹屋ベンガラは江戸時代から昭和時代まで製造され、陶磁器の絵付け用赤色顔料などとして利用されました。その美しい赤色は世界中の人々を魅了し続けています。 驚くことに、江戸時代に開発された“吹屋ベンガラ”は、ローテクノロジーでは なく、ナノテクノロジーに属するものなのです。江戸のナノテクノロジー「ローハベンガラ」は、磁硫化鉄鉱から緑礬(ローハ)・硫酸鉄を焼成して酸化鉄にするという、酸化還元製法で高品質なベンガラの量産化に成功した。有田の陶工が絵付けした陶磁器は欧州に輸出され、王侯貴族たちに珍重され続けています。また、欧州での陶磁器の絵付けに日本の陶磁器は大きな影響を与えました。以後、昭和49年まで「ローハベンガラ」の製造は続けられた。 「ローハベンガラ」の特徴は、 ①天然由来の含有物(アルミ、石英など)  ②粒子が大小混ざり合っているため色に粘りと鮮やかさがある  ③強い耐光性  ④木部保護 現在でも岡山県高梁市吹屋地区には山間部から突如として現れるベンカラ色の街並みが存在し、当時の繁栄を忍ぶことができる観光地となっています。

吹屋ベンガラとは

ベンガラが使われている建物の例

茨城県北茨城市大津町五浦にある岡倉天心が思索の場所として明治時代に自ら設計した六角形の建築物です。2011年3月11日に発生した東日本大震災に伴う津波の直撃を受け、土台のみを残して姿を消した。2012年再建時に吹屋ベンガラが寄贈されました。

六角堂